“また、自由度の拡大に伴なって第三者評価を伴う目標管理も行われるようになった。”
大学法人化の矛盾と苦悩がにじむ、理解が極めて難しい一文。
在学中も含めて一度も足を踏み入れることがなかった、京大時計台の建物に入ってみた。一角に、京都大学の歴史などの展示があり、国立大学法人京都大学の発足について書かれたパネルで。
管理もされず、失敗しても大丈夫なのが、自由。

“また、自由度の拡大に伴なって第三者評価を伴う目標管理も行われるようになった。”
大学法人化の矛盾と苦悩がにじむ、理解が極めて難しい一文。
在学中も含めて一度も足を踏み入れることがなかった、京大時計台の建物に入ってみた。一角に、京都大学の歴史などの展示があり、国立大学法人京都大学の発足について書かれたパネルで。
管理もされず、失敗しても大丈夫なのが、自由。
小さな窓から、はてしなく広い景色を見渡す。
という言葉は、モデル生物を使って研究をする私が、目指すところ。今日は、メダカという小さな窓から、人間の本来の姿を見抜く研究発表を聞いて、興奮している。
第4回ゼブラフィッシュ・メダカ創薬研究会にて。写真は、産総研の大きな窓からみた、はてしない東京。
稲盛和夫氏と山中伸弥先生の対談「賢く生きるより辛抱強いバカになれ」(朝日新聞出版)から、京セラフィロソフィの「六つの精進」。6番が身につくといいんだけれども。
1、誰にも負けない努力をする
2、謙虚にして驕らず
3、反省のある毎日を送る
4、生きていることに感謝する
5、善行、利他行を積む
6、感性的な悩みをしない
稲盛氏:「感性的な悩みをしない」について(抜粋)。資金繰りに困り手形が落ちるだろうかと悩むあまり身体を壊す経営者もいるが、このような悩み方はあまり意味がない。出来ることは、そうなる前に十分な資金を持てるように一生懸命努力すること。そのような努力をしても、会社は倒産することがあり、そうなったら心を入れ替えて、再起を図るために行動を起こすしかない。
サンディエゴで開催された第5回神経疾患におけるRNA代謝カンファレンス(5th RNA metabolism in neurological disease conference)に参加。思っていた以上に反響があり、 今後も検討を続ける価値が十分にあることが確認できてよかった。私の技術を使うことで、効果的にアプローチできる問題がある。研究者個人としては、誰にもスクープされることなく、論文になってほしいと思う。けれども、この研究は「せりか基金」というALS研究を支援する一般の方々からの、「ALSの原因究明」を目指す研究に対する寄付金をもとに推進しているので、寄付してくださったみなさんの熱い想いや強い願いから生まれた研究成果が私の手元に止まることなく、一刻も早く他の研究者の思考や実験の役に立ち、ALSの研究が少しでも前進しなくてはならない。なので、5月の時点で、確証がとれた部分から発表するという、通常ではやらないスピードで演題を投稿し(てしまっ)た。結果として、口頭で会場全体に発信する枠がもらえて、「あたなのゼブラフィッシュの中で調べてみたいんだけど」という話にも発展し、期待していたとおり、他の研究者の活動にも貢献する形になりそうで、よかった。これに満足するわけには到底いかないが。
さて、このブログを書いたのは、会議中に目にした二つのシーンを書き留めておきたかったから。
一つ目。SMA(脊髄性筋萎縮症)とよばれるALSとともに運動ニューロン病に分類される、運動ニューロンの変性が原因で筋力が衰えてしまう小児の難病の遺伝子治療に関する発表。体に全く力が入らず自力では動けないSMAの赤ちゃんの、なかなか観るのがつらい動画から始まり、その後、SMAの遺伝子治療を受けた少女が、主治医とお母さんのまえで腕立て伏せをして、普通に動いている動画が流された。音声は出なかったが、「先生は腕立て伏せできる?」と聞く少女に、主治医の先生が「私は年寄りだからできないよ」というような会話のシーンらしい。こういった動画があることは聞いていたが、これを目の当たりにすれば驚きを超えて感動しかない。科学は信頼できる。広い基礎研究の裾野があって初めて到達できた高嶺の一つといえるのでは。
二つ目。ある種のALSの治療法の提案に関する発表。今後、さらに研究が推進されていくことになるのだと思うが、「この方法は公平に考えて根拠が乏しい」と重鎮を真っ向から批判した若手がいた。周囲の制止を振り切ってしばらく激しい議論が続いた。場の空気を全く気にせず批判し合うのは、とても健全で、議論の戦いで問題のレベルを上げていくスタイルはアメリカの凄さを感じさせる。強いリーダーシップとそれに対する批判が共存している。
ナッツ缶や、ナッツの盛り合わせでは、粒の大きいナッツほど上にあることが多い。これは、大きさが異なる粒子が入っている器に振動をくわえると、大きい粒子が浮かび上がる、というブラジルナッツ効果とよばれる現象。大粒ナッツの代表格であるブラジルナッツの名前をとってこう呼ばれているが、まだ完全に説明しきれていない複雑な現象らしい。
からだの中には、同じような働きをもっているけれどもサイズが異なる細胞が含まれる組織や臓器があり、細胞の大きさごとに空間的にグループ分けされていることがある。運動ニューロンが細胞のサイズごとにグループ分けされるのは、ブラジルナッツ効果なんだろうか。大きい運動ニューロン=ブラジルナッツ、小さい運動ニューロン=ひよこ豆、という予想。
詳しくは、
眼球を外側(耳の方向)に動かす筋肉と脳が接続されるしくみをそうめんに例えました。
「プロトカドヘリンがもたらす適度な反発力によって、外転神経が柔軟に形を変えられる“液体”のような性質を獲得し、水の流れのように軸索を伸ばして筋肉と接続するのかもしれません。この反発力がないと筋肉と接続する前に氷のように固まってしまう。。。。あるいは、乾きはじめたそうめんのように、べたべた、ぼそぼそに。」
YouTube: つゆだくそうめんモデル
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