2012年に、ALSに関する提案に対して初めて研究費をいただいてから、8年かかりましたが、ALSについての論文を昨日、発表することができました。
なかなかうまく病態をモデル化できない時期が続きましたが、2017年から光操作によって、TDP-43というタンパク質を凝集させる技術を開発することにし、これがきっかけで、それまでの研究も一部活かすことができました。
この3年前にした「光を使ってALSを再現する」という提案は、できるならばすごいことだけど、自分でも、実現性がとても低いと感じられましたが、このアイデアを「せりか基金」という団体が、大胆に支援してくれました。
ですので、まとめの図8は、せりか基金に。
Fig. 8 SE’quentially R’egulated I’llumination-triggered TDP-43 K’not and A’ggregate F’ormation
SERIKA F
Asakawa, K., Handa, H. & Kawakami, K.
Optogenetic modulation of TDP-43 oligomerization accelerates ALS-related pathologies in the spinal motor neurons.
Nature Communications 11, 1004 (2020).
“想像では、うまくいっている” だけだった提案に手を差し伸べてくださり、プロジェクトをスタートすることができました。ありがとうございました。
SERIKAの“K”に当てはまるワードを見つけるのは、とても大変でしたが、結び目(Knot)という言葉は、思いついたとき、これしかないという感じでした。
健康な状態では、結合と乖離を繰り返しているTDP-43タンパク質が、ある日、”解けない結び目”(Irreversible Knot)を作りはじめてしまうのが、ALSのきっかけに近い出来事ではないかという予想です。