MRJミュージアムで、「国産」について考える

機体のフォルムは日本刀。赤、黒、金の塗装は、漆塗りの色。コックピットの窓枠には、歌舞伎の隈取り。日本文化をあしらった国産旅客機、MRJ(Mitsubishi Regional Jet)。今日は、名古屋空港近くのMRJミュージアムに行ってみた。

MRJ(Mitsubishi Regional Jet)

見応え十分。機体の組み立てが、ガラス張りの2階から一望できる工場と、さらにその上の3階にある博物館をおよそ2時間に渡って見学できた。100万点ものパーツからなる機体の生産は、産業としての裾野がとてつもなく広い。また、こういった産業や、工場兼博物館が国内にあり、少年少女が産業技術に身近に接することができるの意義は国の将来にとっても、とても大きな意味を持つ。
MRJは、まだ、試験段階で、お客さんを乗せて飛び立っていないが、国産旅客機として、近い将来羽ばたいて欲しい、と応援したい気持ちになった。

さて、MRJを見て「国産」とはなんだろうと考えた。

MRJの機体、エンジン、内装は、日本国内や、海外からとり寄せられた部品からなる。従業員も日本人だけというわけではない。「国産」とは、この場合、日本に責任者がいて、日本の国土の上で機体が組み立てられている、という意味。

かつて、大学院の時に聞いたI先生の講義の内容は忘れたが、「せっかくここまでやったんだから、どうせなら国産の研究として発表したい」というフレーズがあったのを、はっきり記憶している。20年前の当時では、国産=日本の大学にいる日本人研究者が著者、という意味だったと思う。

研究室主催者レベルの国際化、人材の流動が日本では十分ではないにせよ、実験の担い手の少なくない割合が外国人留学生となっている現在は、国産の意味も変化し、日本人の手によって、という意味ではなく、日本の国土で産み出されているということだろう。もはや、人種は関係ない。

最近は、日本のプレゼンスを高めるために、国際共同研究を奨励し、人材や資金などの研究リソースをあの手この手で海外に送り込もうとする動きが盛んだが、日本のプレゼンスを高める国際共同研究とは、国際的な研究協力の枠組みを備えつつ、主要部分が日本の国土で産み出されたものでなくてはならないはず。こういった海外への研究リソースの派遣、提供は、成果における主要研究データが、日本の国土の上で産み出されたものかを基準に評価してもらいたい。一番大事なデータが日本の国土で産まれたか?人種は関係なし。

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